2011年3月3日木曜日

紅茶Q&A 20

ポットの中のひとかきは必要か?
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Q.20
紅茶をカップに注ぐ前にポットの中を スプーンでかき混ぜるのが良い というのと、茶葉
の繊維が壊れて雑味が出るため、かき混ぜないのが良い という二つの方法が紹介されて
いますが、本当はどちらが正しいのですか?

こちら(ブログ)では、かき混ぜる とありますが、どのような違いや理由があるのですか?

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A.20
紅茶の淹れ方に関する手順や詳細は、紅茶屋によって多少違ったりします。説明されている様々な内容について正誤をジャッジするというより、それ
ぞれに見方や理由があり、そして意見があると
見ていただけると良いように思います。以下は
私の見方と理由を書いた意見として見てください。

ポットの中の最後のひとかきは、私はしたほうが
良いと考えています。ポットの中の茶葉は、お湯を
注いだ後、少しおけば全て沈みます。おいしさは、
沈んだ茶葉やその周りにまだたくさん残っていますので、茶葉を持ち上げるようにやさしくひとかき
(といっても2~3回大きくかき混ぜる)するとしっかりと引き出すことができます。


またそれによってポット底面辺りと上面の味の濃淡差を少なくすることができることも利点
といえると思います

このひとかきは、紅茶のジャンピングと同様(紅茶Q&A14)、紅茶独特の考え方です
小さめの急須で淹れる煎茶や玉露(緑茶)、ウーロン茶などではひとかき は見ることはない
と思いますが、紅茶は比較的長めに蒸らして一回でおいしさを出し切る飲み方をするから
なのです。

かき混ぜると茶葉の繊維が壊れて雑味が出るのでは?については、私は次のように考え
ます。

紅茶(茶葉)に、意図的に潰したり細かくしたりしてダメージを与えて淹れると、不味くなる
のは確かです。しかし紅茶は製茶工程中にしっかりと揉んでつくられていることもあり、
ざっくりと手のひらでつかみ、軽く握る位のことをしても茶葉へのダメージは少なく、味への
悪影響もほとんどありません。加えてポットの中での茶葉は蒸らしている間に水分をたっぷり
含み、徐々に柔らかく、しなやかになりますから、やさしくかき混ぜる程度では雑味は出ない
と思います。


紅茶屋の現場で実際にやっている簡単なテスト(実験)方法を紹介しながら説明しましょう。


①カップを4つ用意します。


②カップ2つに、それぞれ2gの茶葉を入れ熱湯を注ぎます。
(ミルクティーで比べてたい場合は3gずつにします。)

③3分~5分そのままで蒸らします。


④一つのカップの中をスプーンでゆっくり大きく5~6回かき混ぜ、空いている
カップに茶こしでこしながら入れかえます。その後、もう一つのカップはかき混ぜ
ないで、茶こしを使って空いたカップに入れかえます。




⑤二つを飲み比べます。

⑥ミルクティーの場合は、牛乳を同量ずつ加えて飲み比べて見て下さい。
(味がまろやかになるまで牛乳はたっぷり加えてください。)


使う茶葉は、基本的にはお好みで良いと思いますが、ストレートティーではダージリン、
ミルクティーでは、ディンブラ(セイロンティー)かアッサムなどがおすすめです。

かき混ぜたほうが味がしっかり出るとは思いますが、雑味は出ないと思います。ミルク
ティーでは特にわかりやすい結果が出ると思います。この味の差に、ご興味があれば
是非、実際にテストをして比べて見て下さい。

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ご質問ありがとうございました。内容を変えないように配慮し、一部を省略、調整をさせて
いただくことがあります。あらかじめご了承ください。

引き続きご質問をお待ちしております。 ご質問は 我聞@メール  まで

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