----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Q.14
ほとんど毎日のように紅茶は飲んでいますが、ジャンピングがよく起きるときとあまり起きない
ときがあります。紅茶Q&A 10で「条件が合えば」と書かれていましたが具体的にどうすれば
最高のジャンピングを起こすことができておいしく淹れることができるのですか?
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
A.14
ジャンピングを最も活発にさせることが、「完璧な淹れ方」であると誤解をしやすい
のですが、ジャンピングは紅茶をおいしく淹れるための、いくつかあるポイントの
一つにすぎません。おいしく淹れるためにはどのようにジャンピングさせれば良いのか
一つにすぎません。おいしく淹れるためにはどのようにジャンピングさせれば良いのか
を考えることが大切です。
まずジャンピングが最も起こりやすい条件をあげてみます。
① 汲みたての水を使う。
② 湯は沸騰直前のものを使う。
③ 湯はスムーズに勢いよく注ぐ。
④ すぐに蓋をする。
⑤ 茶葉は細かいタイプ(BOP、BOPFなど)がベスト。
⑥ ポットは球形を使う。
以下は簡単な解説です。
はすぐに沈んでしまい、ジャンピングがすぐに止まってしまいます。
② は、沸かすほど空気は抜けてしまうので沸騰直前になります。
③ は、ゆっくりよりも勢いよく注いだほうが湯の対流が起こりやすくなります。
④ は、蓋を開けていると湯気が抜けていきます。蓋をすることによって湯面から
立ち昇る蒸気が蓋にあたって戻り、浮いている茶葉を押し下げ沈めます。
立ち昇る蒸気が蓋にあたって戻り、浮いている茶葉を押し下げ沈めます。
⑤ は、ダージリンなどに多い大きめの茶葉(OPなど)は動きにくいです。
⑥ は、角形や縦に細長い形のポットよりも球形(特に底面から胴面にかけて)の方
が湯の対流が起こりやすくなります。
ジャンピングを最大にさせることを目的とするならば上記の6つが考えられます。
でもどこかおかしいと気づくと思います。初めに書いたように、ジャンピングは
「最大」にではなく、なぜ必要なのかを考えなくては本末転倒なのです。
②の沸騰直前は、紅茶屋でも議論が分かれるようですが、私はしっかり沸騰させた方
が良いと思います。確かに沸騰直前では空気量が多く、よりジャンピングは起こるか
もしれませんが、味にえぐみが出やすくなると思っています。
おいしい紅茶を飲みたい場合は、⑤よりもサイズに拘らず好みの紅茶を選ぶことを
優先するのが普通です。
ジャピングをまとめると、
・まずお湯を注いだときに対流によって茶葉が動きます。
・その後、多くの茶葉が浮き、少しずつ沈んでいきます。
(沸かしすぎのお湯ではほとんどの茶葉がすぐに沈んでしまいます。)
・沈んだ茶葉にくっついた空気の泡が茶葉を湯面まで持ち上げ
泡が抜けると茶葉はまた沈みます。
この一連の動きがジャンピングです。
ジャンピングは、日本茶や中国茶などでは必要とされません。なぜ紅茶だけに必要と
されるのでしょうか?
紅茶は他のお茶類と比べると総じて成分が出るまでに時間がかかるタイプが多いため、
長く蒸らすことになります。そのため一回でおいしさのほとんどがでてしまい二番煎
じがきかなくなります。つまり紅茶は、茶葉に対して湯の量を多く使い、一回でしっ
かりだしきることを考えているのです。ジャンピングは、紅茶の淹れ方や特性に即し
て、おいしさをしっかりだすために強調されてきたのだと思います。
紅茶をおいしく淹れるためにジャンピングは必要ですが、ジャンピングを最高に起こ
すことにポイントをおくのは意味がありません。
初めの①~⑥の中で、空気(酸素)を含んだ湯(水)がおいしいことは既知ですから、
湯(水)は汲みたて沸きたてを使うことは大切です。しかしそれ以外のことはあまり
こだわらなくても大体おいしくはいります。それよりも上質な紅茶を選ぶことや淹れ
方の手順をていねいにすることにポイントをおいたほうが良いと思います。
※「水について」は今後詳細を書く予定です。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ご質問ありがとうございました。内容を変えないように配慮し、一部を省略、調整をさせて
いただくことがあります。あらかじめご了承ください。
引き続きご質問をお待ちしております。 ご質問は 我聞@メール まで
0 件のコメント:
コメントを投稿