紅茶は、お茶類、珈琲の中で、最も体を温める飲み物か?
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Q.19
知人から紅茶は、緑茶やウーロン茶、珈琲などと違って体を温める飲み物であると聞きました。
ネットで調べてみると確かに同じような記述が多く見つかりました。他に牛乳、ジュース、ビール
なども体を冷やす飲み物だそうです。ホットミルクや熱いお茶は体を温めるものだと私は思って
いました。
紅茶が体を温めるのは、”発酵”しているからだそうですが、それだけで性質を変えてしまうほど
の変化があるものなのでしょうか? また紅茶の発酵についてもできれば詳しく教えてください。
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A.19
ホットミルク、熱い日本茶(緑茶)を飲むと体が温まることは私も経験済みです。冷えたビール
でも、飲みすぎなければ、どちらかというと体を温めるように感じるのは私だけでしょうか?
でも、飲みすぎなければ、どちらかというと体を温めるように感じるのは私だけでしょうか?
さて本題ですが、「紅茶が発酵によって体を温める性質に変わるか?」について、結論から
いうと私は変わらないと考えています。
いうと私は変わらないと考えています。
発酵食品は、簡単に言うと微生物の働きによって熟成(人にとって有益な変化)させたものをいい
ますが、紅茶の発酵は、微生物は使わず茶葉(生葉)に含まれる酸化酵素が製茶工程中に
空気(酸素)と触れて茶葉を変化させていくものです。そのため、お茶の発酵は酸化発酵と説明
しています。
ますが、紅茶の発酵は、微生物は使わず茶葉(生葉)に含まれる酸化酵素が製茶工程中に
空気(酸素)と触れて茶葉を変化させていくものです。そのため、お茶の発酵は酸化発酵と説明
しています。
緑茶(日本茶)は、蒸す(熱を加える)ことによって、茶葉(生葉)に含まれる酵素の活性を止め
てつくられるためカテキン類がそのまま残るのに対し、紅茶はカテキン類を酵素の働きを利用
して酸化重合(変化)させ、紅茶らしい風味をつくりだします。
てつくられるためカテキン類がそのまま残るのに対し、紅茶はカテキン類を酵素の働きを利用
して酸化重合(変化)させ、紅茶らしい風味をつくりだします。
このようなことから、紅茶は、製茶中の変化が発酵とはいい難く、発酵食品に類しないという意見
があります。
があります。
つまり一般的に言われている発酵が、微生物のもつ酵素の働きによって対象となる素材(有機物)
を熟成・変化させることに対して、お茶の酸化発酵は植物(茶葉)自らが持っている自家酵素に
よって変化させることであるため、両者を同義にとらえるのは難しいということのようです。
を熟成・変化させることに対して、お茶の酸化発酵は植物(茶葉)自らが持っている自家酵素に
よって変化させることであるため、両者を同義にとらえるのは難しいということのようです。
しかし広義にみれば、発酵食品の中には微生物の作用だけではなく、自家酵素の作用も含まれ
ることもあるので、スターター(発酵させるために加える微生物)を使わない、紅茶の酵素酸化も
発酵と呼んでも良いように私は思います。
ることもあるので、スターター(発酵させるために加える微生物)を使わない、紅茶の酵素酸化も
発酵と呼んでも良いように私は思います。
また酸化というと、「活性酸素」や「体のさび」など悪い連想をする人もいるかもしれませんが、
紅茶は飲むと体内では抗酸化作用が期待できるといわれています。また発酵自体が本質的に
有機物(素材)を酸化させている現象を意味していると私は理解していますので、酸化=悪という
印象は持たなくても良いと思います。ただし、これについては化学にうとい一紅茶屋としての見方
ですので、もし私の理解が間違いであれば専門の方には訂正をいただければ幸いです。
紅茶は飲むと体内では抗酸化作用が期待できるといわれています。また発酵自体が本質的に
有機物(素材)を酸化させている現象を意味していると私は理解していますので、酸化=悪という
印象は持たなくても良いと思います。ただし、これについては化学にうとい一紅茶屋としての見方
ですので、もし私の理解が間違いであれば専門の方には訂正をいただければ幸いです。
少し堅い話になってしまいましたが、最後に酸化発酵について少し付け加えたいと思います。
紅茶の酸化発酵は、身近な例でいうと、バナナやりんごなどの果物(ジャガイモ、茄子などの
野菜も同様)の皮をむくと茶色く変色する現象と同じです。当然、細かく切るか、すりおろして
暫くおき、全体を満遍なく空気に触れさせると元の色とは違い、すごいことになってしまいます。
野菜も同様)の皮をむくと茶色く変色する現象と同じです。当然、細かく切るか、すりおろして
暫くおき、全体を満遍なく空気に触れさせると元の色とは違い、すごいことになってしまいます。
バナナやりんごに体を温める効果を期待して、わざわざ茶色くして食べる人はいないと思いま
すので、「酸化発酵させると体を温める性質に変わる」という考えには無理があります。
すので、「酸化発酵させると体を温める性質に変わる」という考えには無理があります。
紅茶に、もし体を温める効果があれば紅茶屋としては大歓迎なのですが、その根拠に説得力
がない今の状況では単に同調することはやめておきたいと思います。
がない今の状況では単に同調することはやめておきたいと思います。
ただ紅茶(ほうじ茶も)は、熱湯で淹れますので煎茶や珈琲などと比べると熱々で飲むことが
できる点、より体が温まる飲み物といえるかもしれません。
蛇足ながらお茶類で、美味くて体を温めるベストといえば、何といっても生姜を使ってつくる
ジンジャーチャイではないでしょうか? 牛乳は使ってしまいますが...。
できる点、より体が温まる飲み物といえるかもしれません。
蛇足ながらお茶類で、美味くて体を温めるベストといえば、何といっても生姜を使ってつくる
ジンジャーチャイではないでしょうか? 牛乳は使ってしまいますが...。
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ご質問ありがとうございました。内容を変えないように配慮し、一部を省略、調整をさせて
いただくことがあります。あらかじめご了承ください。
引き続きご質問をお待ちしております。 ご質問は 我聞@メール まで
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